2019710日・17日(水)の、1年生の授業「知の広場」にて、山口大学の教育理念に基づく『山口大学生コンピテンシー』の達成度を振り返る学習を行いました。

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 『山口大学生コンピテンシー』は、山口大学教育理念に明記された「山口大学生として身につけておくべき力(コンピテンシー)」です。『山口大学生コンピテンシー』などの学修達成度について、これまでは外部テストを用いて測定を行っていましたが、本年度より学修行動・学修到達度調査による測定と可視化に切り替え、大学独自として行う環境を整えました。

 具体的には、1年次および3年次で実施している学修行動・学修到達度調査において、山口大学生コンピテンシーの4項目の達成度を測る大問について整理を行い、その結果を修学支援システムeYUSDLで表示できるようにしました。eYUSDLの画面には履修情報や学生ポートフォリオなど様々な表示がありますが、『山口大学生コンピテンシー』のページには「驚き」「個性」「出会い」「夢」の4項目のレーダーチャートだけでなく、山口大学教育理念との対応が掲載されており、学生のリフレクションの助けになるように設計されています。

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 「知の広場」の授業では、この画面を利用しながら、山口大学における学びについて振り返るためのリフレクションワークを行いました。リフレクションの意味について学んだ後、各自で用意してきたPCやスマートフォンで自分の『山口大学生コンピテンシー』の達成度を確認し、ワークシートに書き込みました。自分の強みとなる『山口大学生コンピテンシー』の項目を確認し、今できることだけでなく、更に伸ばすためにはどのような行動が必要になるかについて、対話を重ねながらワークシートを埋めていき、最後には具体的な「行動宣言」として、自分がこれから何をしていくかを決めました。

 『山口大学生コンピテンシー』は、大学側がその達成度を把握するだけでなく、学生自身が自分の今のレベルをしっかりと確認する必要があります。山口大学では、今回のような授業によって学生ひとりひとりが自分の力を見つめ、更に伸ばしていけるよう、各種支援の充実を図っていきたいと思います。

 2019年7月18日(木)午後、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP) FD・SDワークショップ『「学生調査」入門講座~学生調査の見方、活かし方について考える~』を開催し、学生・教職員 計30名が参加しました。当日は、大学リーグやまぐち関係者や大阪・神奈川など他大学関係者にも足を運んでいただきました。

 当日は、冒頭、山口大学 大学教育機構 大学教育センター 林 透 准教授より、間接評価の代表的手法としての学生調査について説明が行われました。学術的背景として、直接評価との違いやその特性について図示して共有されたのち、文部科学省主導で全国の大学における統一学生調査についての動きが本年度から計画されていることについて説明がありました。更に最新事情として、AP採択校に対するアンケート調査からも、データを取ったものの分析・活用の仕方について対応に悩んでいる大学が多いことが示されました。これらのことを踏まえ、今回のワークショップを通して学生調査についての理解を深めるきっかけを掴み、かつ今後の大学運営・教育改善に活用してほしい旨の話がありました。

 その後、山口大学 大学教育機構 大学教育センター 高林 友美 助教(特命)より、学生調査の基本として「設計・分析・活用」の3点に注目したレクチャー&ミニワークが行われました。設計に関しては、特に質問項目の設定について具体的なポイントが共有されました。参加者がグループになって用意された質問紙を改善するというミニワークでは、ポイントを自分で復習することで理解が深まる様子だけでなく、参加者同士が和気あいあいと所属による視点の違いを話し合う様子が見られました。分析については、統計分析だけでなく基本的な数値まとめにも意味があることが社会調査の実例を通して語られたのち、山口大学のAP事業で行われた分析を参考例に挙げながら、統計分析の手法についても簡単に説明が行われました。実際にデータから分析手法を考えるワークでは、無目的に集められたデータを分析する難しさと、仮説の重要性についてが共有されていました。最後に活用に関しては、1度のアンケート調査では限界があることを示しながら、経年比較や質的データと合わせて、学生の成長を多角的に確認し議論していく材料になることが語られました。

 ワークショップの最後には、学生調査の設計から活用までを各自の組織の文脈に合わせて体験し、課題を共有するためのロジックモデルに関するワークとして、①学生の現状、②各人の思う理想的な状態③その途中に見ることのできる指標、という3つについて考えました。本学教員からは、後輩やTAからの評価も含めて学生の伸びを見ていく可能性が共有され、他大学教員からは、あいさつなどが出来ているかを尋ねることも、組織の教育目標によっては重要であることが指摘されました。これらのように教員が実際に成長した学生を見ていて感じられる指標は、具体的な調査改善につながる意見共有となったことと思います。

 その後、質疑応答として現実問題としての認証評価の話題にも触れられた後、FD・SDワークショップを終了しました。内容の多いワークショップを通して、参加した多くの皆さんのそれぞれの教育実践の参考になる部分が1つでも見つかり、次のステップにつながっていることを願います。

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 2019710日(水)に、第15回スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)【ラーニングスキル開発】『タイムマネジメント入門講座 ~時間足りない...を生き延びろ!~』を開催し、学生・教職員 計20名が参加しました。今回も第1314SLP同様、授業の多い学生でも参加しやすいように、昼休みの時間帯を利用して開催しました。このプログラムは、ラーニングスキル開発のSLPの中でも新企画であり、YU-AP学生スタッフの体験談を共有する試みとして開かれたものです。本講座は、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)が進める正課外教育プログラムの一環として開催しています。

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 当日は、冒頭、山口大学 大学教育機構 大学教育センター 高林 友美 助教(特命)より、今回の講座の目的として、大学生に求められるコンピテンシーの一つとも言えるタイムマネジメントについて基礎知識を習得するだけでなく、身近な先輩の体験談を聞きながら、今後の忙しさを乗り越えるための自信を身に着けてほしいという趣旨説明が行われました。引き続き、タイムマネジメントについて「ハイライト・レーザー・リフレクト」の3点に絞って具体的な方法のミニ講義が行われた後は、理学部2年生 山口 由貴さんより、1~5コマまで授業の日もある中で、バスケ部の活動と2つのアルバイトの掛け持ちをしていた1年生当時の体験から「自分の優先順位をよく考えて、じっくりと悩みながら様々な挑戦をしてほしい」というメッセージが送られました。また、理学部3年生 大亀 洋輔さんからは、再提出も含めた膨大なレポート課題をやり遂げた経験を踏まえつつ「自分でやったことを見返してみると、実は友人などに話を聞けば早かったことも多い。1年生だからこそ、人に頼ることも選択肢に入れてほしい」として、自分を振り返りながら時間を管理していく必要性が語られました。

 講座の最後には、ミニ講義と体験談を踏まえて自分でもタイムマネジメントをするために、参加学生全員がワークシートを用いながらスケジュールと予定ハイライトを作ってみました。また、作ったものを元にしながら隣席の学生同士で時間管理の難しさなどを話し合い、自分の課題となるポイントなどを確認してもらいました。1年生の参加が主でしたが、一部3年生では就活の予定なども含めて、実際の予定管理に学んだことを早速活かす様子も伺えました。アンケートでは「とても参考になりました。」「スケジュールの工夫のやり方がよく分かりました」と言った声が返ってきており、能動的な学びと実際の体験談を通して、忙しい中でも様々なことにチャレンジするためのきっかけになったことと思います。参加した学生の皆さんの今後の活躍を期待します。

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 2019620日(木)・27日(木)の2日間にわたって、第13回・第14回スチューデント・リーダー・プログラム(SLP)【ラーニングスキル開発】『ライティング入門講座 ~レポートの書き方の基本的な作法とコツをつかめ!~』を開催し、学生・教職員 計77名が参加し、昨年度を超える参加者となりました。今回は両日とも、「ランチョン編」と称して昼休みの時間帯を利用して開催しました。このプログラムは、平成28年度に実施した「初年次学生の学習意識調査」の結果を踏まえ、学生から要望が強かったライティングスキル養成に関する講座を2年前から実施し、今や、最も参加者を集める人気プログラムとなりました。本講座は、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)が進める正課外教育プログラムの一環として開催しています。

 当日は、冒頭、山口大学 大学教育機構 大学教育センター 林 透 准教授より、今回の講座の目的として、実例を示しながら、レポートの書き方には、ルールとして覚えておくべき「作法」と書く経験を積み重ねることで体得する「コツ」の二種類があることを趣旨説明しました。その後、レポートの意味・型、さらにはレポート作成の手順など、知っておくべき重要な項目について、丁寧に分かりやすく説明がありました。また、レポートのふさわしい文体、引用や参考文献の記載の作法などについて説明があり、最後には、提出期限を意識しながら、推敲と校正をしっかりと行うよう指導がありました。 

 「初年次学生の学習意識調査」の結果を反映したように、この2日間において、1年生を中心に大勢の学生が参加し、真剣に聴講・質問する姿が印象的でした。学生の参加動機として、「大学に入ってから、レポートを書く機会が増えたが、正直レポートの書き方がよく分からなかったから。」「レポートを書くことに苦手意識があるから。」という声が聴かれ、これらの学生のニーズに応え、参加学生から満足度の高い講座となりました。来年度以降も、継続的に実施していく予定です。

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