山口大学医学部眼科山口大学大学院医学系研究科眼科学

後期研修医日誌⑤

T先生

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。まだまだ寒い日が続いています。新型コロナ感染症の拡大も心配な昨今です。

さて現在私は、糖尿病網膜症や黄斑円孔、黄斑前膜、網膜剥離といった網膜硝子体疾患を主として担当するグループに所属しています。網膜硝子体疾患の診療では特に眼底検査が重要ですが、初期研修医の頃、眼科を初めてローテートした時は、自分の手のポジション、患者さんの眼と観察用レンズとの距離など、細隙灯顕微鏡での眼底診察に大変苦戦しました。眼は、角膜から光を通すことで網膜血管や視神経を直に観察することのできる臓器であり、眼底の観察は眼科診察の魅力の一つであると思っています。「自分の眼で眼底を見てみたい!」という医学生・初期研修医の方は是非眼科の研修を選択してください。

話は変わりますが、網膜剥離は眼科のなかでも緊急性の高い疾患の一つであり、緊急手術となる場合も少なくありません。手術時にガスやシリコーンオイルといったタンポナーデ物質を注入した場合には、術後に腹臥位を保つ必要があります。緊急で眼の手術を受けたうえに、腹臥位を長時間続けるというのは患者さん本人にとってなかなかつらいものです。毎日そういった方々の診察をする中で、患者さんの苦労やつらさにも寄り添った診療をしていきたいという思いを強くしています。

今年度も終盤戦に差しかかりました。これまでの知識や経験を糧にしつつ、引き続き精進してまいります。