後期研修医日誌⑧
A先生
入局して3カ月が経ちましたが、診察にはまだまだ慣れません。
医学部に入ってから気付いたことではありますが、医者の仕事は病院で患者を治療することだけではありません。珍しい病気や、これまでの医学では分からなかったことに出会ったときに、他の医療者に対して経験を共有することも医者の仕事です。
大変恐縮なことではありますが、第55回日本眼炎症学会で発表する機会をいただきました。人前でプレゼンテーションするのではなくポスターを掲示しての発表となり、発表前の緊張感などはあまり味わうことはできませんでしたが、ホテルの1フロア全体に眼科医がひしめく光景に圧倒されました。また、発表の準備では多くの先生におんぶにだっこで手伝っていただいて、サポートの手厚さに改めて気づくことができました。
医学部に入学して9年、医師免許を取得して3年、眼科を学び始めて1年目。まだまだ分からないことだらけではありますが、そんな私でも患者さんの前ではひとりの先生となりました。一人前の医師となるために、一歩ずつ前へ踏み出していきます。