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学部6年生の発表した学術論文が国際学術雑誌に掲載されました
本学部6年生の加藤 大樹さん(獣医臨床病理学研究室)が筆頭著者として発表した論文が、2024年5月7日、学術雑誌“Veterinary and Comparative Oncology”に掲載されました。
論文名は「Identification of hypoxia-induced metabolism-associated genes in canine tumours(イヌ腫瘍における低酸素環境により誘導される代謝関連遺伝子の同定)」です。
近年、犬の腫瘍は最も多い犬の死因とされていますが、その分子メカニズムに関する情報が少ないため有効な治療法が限られています。本研究において加藤さんは、腫瘍が作り出す腫瘍局所の特殊な代謝環境に着目し、犬の腫瘍細胞株を用いて、低酸素により解糖系が亢進し乳酸産生の増加と、それを排出するモノカルボン酸トランスポーター4 (MCT4) の発現が上昇することを明らかにしました。さらに、犬の腫瘍組織を用いた解析では、尿路上皮癌や肺腺癌においてMCT4の発現頻度が高いことが明らかとなり、治療ターゲットとしての可能性が示唆されました。今後は、MCT4や乳酸を阻害するような腫瘍の代謝に対する新たな治療アプローチの開発を行い、臨床応用へと繋げることを目指します。
加藤さんは、「はじめての論文が国際誌に掲載され、大変嬉しく思います。また、ご指導いただいた先生方や研究室のメンバーに心より感謝申し上げます。犬の腫瘍の代謝に関する研究はあまりされておらず、今後の発展が期待される興味深い分野です。普段、内科診療に参加する中で多くのがんに苦しむ犬たちをみてきました。苦しむ犬たちを救うことができるような新しい治療戦略の開発に繋げられるよう、今後もより一層研究活動に励んでいきます。」と述べています。
(論文情報)
- タイトル:Identification of hypoxia-induced metabolism-associated genes
in canine tumours- 著者名:Taiki Kato,Masashi Sakurai,Kenji Watanabe,Yoichi Mizukami,
Takayuki Nakagawa,Kenji Baba,Takuya Mizuno,Masaya Igase- 掲載誌:Veterinary and Comparative Oncology
- 公表日:2024年5月7日(現地時間)
- 掲載URL: https://doi.org/10.1111/vco.12979