共同獣医学部 共同獣医学科 生体機能学講座
獣医薬理学研究室 <消化管粘膜の微小環境を科学する>
教 員
教 授 佐藤 晃一
准教授 大濵 剛
研究室紹介
消化管は,生体内に有りながら生体外と直接つながっているため,様々な異物やバクテリア,食物抗原にさらされる環境にあります。そのため,粘膜上皮細胞が関連する病気は数多くあり,特に炎症性腸疾患,がん等が重篤な疾患の代表例です。消化管粘膜上皮細胞はコントロールされた死と再生を繰り返すことで常に新しい細胞へと作り替えられ,それらの異物に対する一次防波堤として働いています。私達は,粘膜上皮細胞が自分自身をコントロールしているだけではなく,細胞の周囲の環境(微小環境:niche)により強く制御されていると考えています。
獣医薬理学研究室では,その制御機構を解明するために,粘膜上皮細胞とそれに近接する筋線維芽細胞に焦点を絞って,細胞自身とその微小環境に関する研究を行っています。また,細胞内制御機構のスイッチとしての役割を果たすタンパク質のリン酸化を,脱リン酸化制御(ホスファターゼ制御)機構の観点から研究を行っています。
研究テーマ
- 粘膜上皮細胞と筋線維芽細胞により構成される微小環境の解明
- プロテアーゼ活性化受容体の生理的,病態生理的役割の解明
- Type2Aタンパク質脱リン酸化酵素によるオートファジーの制御機構
- 細胞癌化メカニズムにおけるType2Aタンパク質脱リン酸化酵素の役割
- 新規カルモジュリン関連蛋白質による炎症性腸疾患制御機構の解明
- 三次元オルガノイド培養上皮細胞を用いた新規薬物透過試験モデルの開発