山本が開発したCaMHAマウスはRyR2のなかのCaM結合ドメインの1アミノ酸を変異させてあり、RyR2に対するCaMの親和性が高くなっている。このマウスはSR, ERからのCaリークを起こしにくいマウスである。
山本 健研究室の研究
Caハンドリングと不整脈
当研究室では、これまでRyR2の研究で、RyR2結合calmodulinがRyR2からのCa2+リークに非常に重要なことを突き止めた。そこで当研究室で開発したRyR2からcalmodulinが外れにくいマウスをR2474S型CPVTマウスと掛け合わせたところ、不整脈をほぼ完全に抑えることが出来た。
Caハンドリングとアルツハイマー病
当研究室では、Caハンドリング改善を介した新しいアルツハイマー病を研究している。具体的には、理化学研究所の西道らのグループの次世代アルツハイマー型マウスを用い、このマウスと我々の開発したCaMHAマウスの交配を行い、認知機能や各種ERストレスマーカーのチェックを行なった。その結果、任期機能の改善や脳組織のvolumeの改善など、非常に良い結果がでている。
本研究においては、2016年度山口老年医学研究所の助成金を受賞した。
Caハンドリングと動脈硬化
当研究室では血管平滑筋増殖とCaハンドリングについても研究を行なっている。ApoE KOマウスとわれわれの開発したCaMHAマウスを交配させ、大動脈硬化に対するCaリークの抑制がおよぼす影響について検討している。
Caハンドリングと肺高血圧
我々は肺高血圧の重要な予後規定因子として右心室の機能があると考えている。そこで右室機能をターゲットに肺高血圧におけるSRからのCaリーク抑制介入をおこなっている。肺はじめにマウスMCT肺高血圧モデルを作成し、懸賞を行った。現在はラットMCTモデルでの実験を行なっている。研究の進行に伴い、SRからのCaりーク抑制は肺動脈における動脈硬化の抑制効果をもつ可能性もあることがわかった。
本研究においてはア2019年度クテリオンファーマシューティカルの助成金を受賞した。
透析患者の冠血流
NH3-PETを用いて透析患者の冠血流と冠血流予備能を詳しく測定し、その規定因子の分析を行っている。大動脈硬化をbaPWVや大動脈のCaスコアから評価したところ、明瞭な逆相関が認められた。
ステッピングモーターによる自動顕微鏡ステージ
当研究室ではステッピングモーターを制御し、自動巡回しながらタイムラプス撮影が出来る完全自動化顕微鏡を開発中。