『アクティブ・ラーニング(AL)ベストティーチャー表彰記念FD・SDワークショップ~第3回ALベストティーチャーによる模擬授業~』を開催しました!
令和元年10月29日(火)に、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)『アクティブ・ラーニング(AL)ベストティーチャー表彰記念 FD・SDワークショップ~第3回ALベストティーチャーによる模擬授業~』は、学内外から大学関係者だけでなく、高等学校関係者を多数集め、計25名(学内20名、学外5名)の参加者により、本学吉田キャンパス共通教育棟26番教室(アクティブ・ラーニング教室)にて開催された。本ワークショップは山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)の一環として実施された。この模擬授業型ワークショップは平成29年度から続けて、今年度で3回目となった。
冒頭、林 透 山口大学 大学教育機構 大学教育センター准教授より、本学では、アクティブ・ラーニング型授業の優れた取組を表彰する「アクティブ・ラーニング(AL)ベストティーチャー表彰制度」を平成28年度に創設し、平成30年度に第3回の受賞者(5科目・14名)を表彰し、今回のワークショップでは、第3回ALベストティーチャー受賞者による模擬授業を体感し、改めて、「アクティブ・ラーニングとは何か」、「アクティブ・ラーニングを通した学生の学び・成長」について考えてみたいとの趣旨説明があった。
まず、模擬授業Part1では、中溝 朋子 山口大学 大学教育機構 留学生センター教授より、「反転学習やクリッカーを活用したアクティブ・ラーニング型授業 ~語学教育における『完全習得学習型』を目指して~」と題し、アクティブ・ラーニング型授業『日本語Ⅳ』の模擬授業を行っていただいた。具体的には、全体の授業計画の概要説明があった後、事前学習のMOODLEでのビデオ視聴に始まり、授業時間内での日本語文法の基礎的講義の後、プリントによる選択式・穴埋め式の課題を小グループでの答え合わせをしながら理解を深め、授業の最後にクリッカーを利用した理解度チェックテストを行う授業一コマ分の構成の詳細について説明があった。途中、実際の演習問題について、グループでの答え合わせ、クリッカーでの回答などの体験を行った。反転授業を取り入れることで、各回の授業が計画通りに進められるようになり、かつ、受講生から質問が増えたという効果の紹介があった。また、数年前、授業最終回に理解度テストを行ったところ、完全習得学習型授業としての目標値である7割程度の理解度が得られていることが確認できたとのこと、さらには、事前課題の問題もテストバンクの形でストックを持たせながら運用している旨の説明があり、質の高いアクティブ・ラーニング型授業設計を実感させられる内容であった。
次に、模擬授業Part2では、霜川 正幸 山口大学 教育学部附属教育実践総合センター教授より、「チームによる授業づくり ~キャリア教育(教職キャリア形成科目)の実践を通して~」と題し、アクティブ・ラーニング型授業『キャリア教育(教職キャリア形成科目』の模擬授業を行っていただいた。冒頭、教育学部のカリキュラムにおける『教職概論』『教職キャリア形成Ⅰ』『教職キャリア形成Ⅱ』の位置付けやねらいについて説明があった後、『教職キャリア形成科目』で大切にしている4項目(①授業の意義(位置づけ)と目標を明確にし、学生と共有する(目指す姿を意識させる)、②学びの流れと教職へのつなぎを大切にし、創意工夫する(学び育つ主体は学生自身)、③学生個人の探究、集団での切磋琢磨を大切にし、共に伸ばし合う集団を創る(指導方法の工夫改善)、④教職員間の共通理解、協働実践を大切にし、学部ぐるみで学生を育てる(全員が教え子))について詳細な趣旨説明があった。その途中、授業づくりで大切にしていることについて、ダイヤモンドランキングを活用したミニワークを行い、日頃の授業運営の雰囲気を体感した。
後半の質疑応答・対話のセッションでは、林 透 山口大学 大学教育機構 大学教育センター准教授のファシリテーションにより、参加者に事前配布したダイアローグシートに模擬授業を受講して感じた気づきや疑問点を記入していただいた後、グループごとに、短時間の意見交換を行った。その後、全体の質疑応答に展開し、「クラスの学生全体のやる気を引き出し、伸ばし合う環境づくりをどのように行っているのか」「教職キャリア形成科目をどのように設計・構成していったのか、その経緯を知りたい」「反転授業の教材づくりの負担や具体的な作成方法はどのようにしているのか」といった質問があり、各参加者が日々のアクティブ・ラーニング型授業での実践や学修評価の参考にすべく、実際に役立つ意見交換が行われた。実践に役立てたい、実践での課題解消に結び付けたいという参加者からの真剣な思いが伝わってくるセッションとなった。