AI×研究データマッチングイベントを開催しました

  2022年6月25日(土)に「AI×研究データマッチングイベント―新たな研究の可能性をDAIラボ(Diversity×AI)で―」をKDDI維新ホールで開催しました。
 
  このイベントは、セミナーとマッチングの二部構成で行われました。第一部のセミナーでは、AI技術の活用についての理解促進を目的とし、第二部のマッチングでは、組織、分野、立場の枠を越えて多様な研究者が集い、アイデアを交換・共創することにより、新たな研究活動の展開や、異分野融合研究チームの形成を目指したものです。特に第二部のマッチングでは、AI研究者と他分野研究者の共同研究を促進するために、山口大学、山口東京理科大学、宇部工業高等専門学校の相談ブースを設け、研究者を紹介するほか、本学情報・データ科学教育センターのブースでは、AIに関するアドバイスも行いました。
 
  セミナーでは、本学の総務企画・DX・情報セキュリティ・大学評価担当の松野理事より昨年度のイベントに引き続いて「AIでできること~山口大学及び県内企業の事例から part2~」と題して、AIの可能性や、地域の企業と連携した具体的な事例などを分かりやすく説明いただきました。そして、AI技術を研究に取り入れた事例発表として、医学部附属病院の藤井奈津美助教と、時間学研究所の松村律子テニュアトラック助教にご登壇いただきました。藤井助教の研究では、脳卒中診断にAIを活用するシステムを構築することで、地域医療の均てん化を実現するとともに、医療の質を落とさずに医師のワーク・ライフ・バランスにつながる可能性を示していただき、松村助教の研究では、AIを活用することで、個人の判断による研究の分析結果のばらつきの解消を図り、精度の向上と効率化につながる実例を示していただきました。AIを既存研究に活用することで、効率化につながるのはもちろんのこと、新たな発見や診察方法が構築でき、地域貢献にもつながるなど、幅広い可能性があることを知ることができました。
  マッチングイベントでは、共同研究に関する相談のほか、自身の研究にはどのようなAI技術を組み込むことができるのか、どのように分析すべきか、といったさまざまな相談が寄せられ、会場でマッチング成立や解決したものや、現在進行形でマッチングを進めているものもあります。
 
  今回のイベントには、山口大学の研究者や学生だけでなく、県内の高等教育機関や企業、行政など幅広い分野から約80名にご参加いただきました。「ダイバーシティとAIがどうつながるかを理解することができました」「文系の研究にもAIを活用できると事例を通じて知ることができた」「AIを活用した実際の手法について知ることができた」といった感想を多数お寄せいただいた一方で、男性研究者も含めたダイバーシティ推進に関する取組、イベントの構成・情報発信などに関する建設的なご意見もいただきました。
 
  本イベントでは、研究データにAI技術を適用することで広がる可能性について、実際の取組事例を交えながら考えるとともに、研究者同士が直接やり取りできる有意義な機会となりました。ダイバーシティ推進室では、今後も皆さまと、研究の活性化や効率化、共同研究の促進を目指して活動をしていきます。