共通教育におけるアクティブ・ラーニング(以下、AL*)の授業実践に顕著な成果をあげた教員を表彰する「ALベストティーチャー」の第5回受賞の5科目・担当教員26名が選出されました。ALベストティーチャー表彰制度は、本学が2014年度に採択された文部科学省・大学教育再生加速プログラム(AP)の一環として2016年度に制定された制度で、シラバスのALポイント、学生授業評価、成績評価分布などを指標に審査し、受賞者を決定しています。その第5回受賞者の表彰式が2021年1月12日(火)の教育研究評議会の冒頭で行われました。
 表彰式では、岡正朗学長より、「大学教育ではアクティブ・ラーニングが益々大事な時代になっています。今回受賞を契機に、益々、より良い授業実践に励んでいただきたい。」との言葉が贈られ、出席した5名の教員に1人ずつ表彰状が手渡されました。
 なお、表彰式に先立ち、岡 学長、松野 副学長と表彰者との間で懇談会が開催されました。懇談では、受賞者の先生方から担当授業内容の説明があり、学長からSTEAM教育の重要性が指摘され、学生が主体的に考えるアクティブ・ラーニングが益々大事になってきていること、今後は各教員の授業録画を行ってFD等に活かしていくようにしたいことが述べられました。受賞者の先生方からは、高等学校教育がかなり変わってきている中で、大学教育での主体的な学びの促進が一層大事であること、ペアワークを通して学生同士が英語を面白く感じることに重点を置いていること、教員が伝えることの限界を学生に補ってもらうという捉え方で授業を行っていること、コロナ禍でのオンライン授業において学生からの質問等が増えたことに新たな気づきを得ていること、実験授業では担当教員間で常に内容の改善充実を図っていることなど、有意義な意見交換がなされました。

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 20201221日(月)に、大学リーグやまぐち・山口大学主催 大学マネジメントセミナー2020 inやまぐち『大学マネジメントのためのマインドセット』を、学内外から120名を超える参加者を集め、Zoomによるオンライン聴講及び吉田キャンパス・大学会館2階会議室による会場聴講を併用したハイブリット型セミナーにて開催した。オンライン聴講を可能としたため、東北から沖縄にかけて全国各地の教職員が参加した。本セミナーは、大学リーグやまぐち、山口大学の共同主催、大学マネジメント研究会、大学行政管理学会中国・四国地区研究会の共催で実施された。

 冒頭、多賀谷 勇治 山口大学 総務企画部長より開会挨拶があり、大学経営における教職協働の重要性が謳われる中で、所属大学を超えた大学関係者の議論や情報交流に期待が寄せられた。

 基調講演では、まず、関西大学管財局管財課職員 / 日本ピア・サポート学会理事 松田 優一 氏より、「ピア・サポートを通した学び合い・助け合い~学生支援と働き方について~」と題して講演があった。ピア・サポートは教育活動であって、対人援助の知識と技術を学び、実践することで、援助する方も援助される方も人間力を高めることができ、ボランティアとは異なる。日本では、いじめが社会問題化した1990年代から学校現場を中心にピア・サポートが注目され始め、今日では大学生支援にも活用され、広がりを見せている。ピア・サポートによる「自立を促し、エンパワーを生む」コンセプトは、大学教職員の働き方における協働意識に適用でき、大学マネジメント力の向上に役立つことを意識させる講演となった。

 次に、筑波大学研究推進部外部資金課主幹 / URA 池田 一郎 氏より、「ファンドレイジング意識を持った提案力・行動力とは?」と題して講演があった。ファンドレイジングの基本的な考え方を紹介しながら、大学等も広義の意味の"NPO"と捉えながら、学生を含めたステークホルダーのため、社会貢献のために、必要とされる資金を獲得し、新たなイノベーションを起こしていく意識や行動力の必要性を訴えた。筑波大学での具体的な取組事例を踏まえながら、聴く側にとって非常に説得力のある講演となった。

 最後に、大阪府立大学 副学長(統括) 高橋 哲也 氏より、「自律的な内部質保証を育むには~その仕組みづくりと意識づくりを学ぶ~」と題して講演があった。内部質保証の定義を説明しながら、学修成果についての内部質保証の主体はカリキュラムや卒業要件を決める学科であると強調した。その観点から、大阪府立大学では、ボトムアップでの議論を醸成する教育戦略室会議の設置や内部質保証のためのスタートアップ事業の導入を通して、学科が主体となった自律的な内部質保証体制の整備を進めている説明があり、各大学での関心テーマである自律的な内部質保証の確立にとって示唆に富む講演となった。

 後半では、林 透 教学マネジメント室 副室長の進行のもと、参加者からのチャットによる質問に講師が回答する形で全体共有を行った。参加者からは「大学職員に対して経営意識をどのように養っていったらよいのか」「ピア・サポートの取組を充実する上で、工夫している点はどのようなことか」「産学連携活動等が大学教員にとって評価に対象になっておらず、働きかけにくい側面があるが、どのように考えるか」「学修成果の効果的な測定方法のあり方」などの質問があった。各講師からは、「大学組織は複雑体であるが、まずは、自分の大学を良く知ることが大事であり、そこから色々なことが見えてくる」「学生から見て、教職員がナナメの立場から温かく対応することを通して、学生自身の自主性を育むようにする」「何のための研究なのか、誰のための研究なのかを起点に研究者自身や研究支援者が考えていくことが大事である」「学修成果の測定方法について、上から押し付けるのではなく、組織として納得感のあるものを導入・定着していく意識が大事である」とのコメントがあり、これからの大学マネジメントのためのマインドセットについて相互に考え、認識を強くする有意義な意見交換となった

 参加者アンケート結果から満足度の高いセミナーとなり、今後も同様のオンラインセミナーを望むコメントも寄せられ、更なる充実を図っていくこととした。 

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 大学における学生の「自主的な学び」「積極的な学習行動」の支援について重要性が増しており、授業内外における教員による学習支援に加え、教育支援・学生支援・就職支援・図書館といった部署では、事務職員や学生がその役割の一端を担っている。しかし、近年の学生の多様化に伴い、当該学生への指導助言に苦慮する場面も見受けられる。このため、可能かつ適切な範囲において、柔軟かつ積極的な学習支援ができる人材(「ラーニング・アドバイザー」)が必要となっている。2017年度以降、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)事業の一環として、「学生の学びの好循環」に資することのできるラーニング・アドバイザー養成講座を企画実施してきたが、今年度からは、これまでの同講座の実績を踏まえながら、山口県外の大学関係者に対象を広げ、オンラインにて実施した。

 今年度は、コロナ禍の影響を受けて、オンラインによる2回シリーズとして、1210日(木)に開催された第1回(アカデミックスキル編)では定員を超える39名が参加し、1221日(月)に開催された第2回(ピア・サポート編)は大学マネジメントセミナー2020 inやまぐちとの合同開催(当該参加者数等は別途、大学マネジメントセミナー2020 in やまぐちの実施報告を参照)とし、レポート課題提出を含め、17名が講座修了者となった。

 第1回(アカデミックスキル編)では、まず前半に、崇城大学SILC 宝来 華代子 准教授から「学習支援の実践と効果~崇城大学SILCSALCの取組を通して~」と題し、崇城大学でのSILC (Sojo International Learning Center)での英語カリキュラムにおける自律学習支援での成果を基礎に、文部科学省・大学教育再生加速プログラム(AP)を通してSALCSelf-Access Learning Center)を全学規模・学科規模で展開し、学科教員FDerや学生ファシリテーター養成を通して、組織的な自律学習支援の実践と効果を紹介いただいた。

 後半のグループワークセッション「自律学習のためのアドバイジングスキルを学ぶ」では、引き続き、宝来先生のファシリテーションのもと、Zoomブレアウトセッションによるペアワーク・グループワークを通して、アドバイジングスキルを活用した学習者への関わり方を具体に学んだ。講座終了後も講師への質問が相次ぎ、大変好評であった。

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