大学における学生の「自主的な学び」「積極的な学習行動」の支援について重要性が増しており、授業内外における教員による学習支援に加え、教育支援・学生支援・就職支援・図書館といった部署では、事務職員や学生がその役割の一端を担っている。しかし、近年の学生の多様化に伴い、当該学生への指導助言に苦慮する場面も見受けられる。このため、可能かつ適切な範囲において、柔軟かつ積極的な学習支援ができる人材(「ラーニング・アドバイザー」)が必要となっている。2017年度以降、山口大学・大学教育再生加速プログラム(YU-AP)事業の一環として、「学生の学びの好循環」に資することのできるラーニング・アドバイザー養成講座を企画実施してきたが、今年度からは、これまでの同講座の実績を踏まえながら、山口県外の大学関係者に対象を広げ、オンラインにて実施した。

 今年度は、コロナ禍の影響を受けて、オンラインによる2回シリーズとして、1210日(木)に開催された第1回(アカデミックスキル編)では定員を超える39名が参加し、1221日(月)に開催された第2回(ピア・サポート編)は大学マネジメントセミナー2020 inやまぐちとの合同開催(当該参加者数等は別途、大学マネジメントセミナー2020 in やまぐちの実施報告を参照)とし、レポート課題提出を含め、17名が講座修了者となった。

 第1回(アカデミックスキル編)では、まず前半に、崇城大学SILC 宝来 華代子 准教授から「学習支援の実践と効果~崇城大学SILCSALCの取組を通して~」と題し、崇城大学でのSILC (Sojo International Learning Center)での英語カリキュラムにおける自律学習支援での成果を基礎に、文部科学省・大学教育再生加速プログラム(AP)を通してSALCSelf-Access Learning Center)を全学規模・学科規模で展開し、学科教員FDerや学生ファシリテーター養成を通して、組織的な自律学習支援の実践と効果を紹介いただいた。

 後半のグループワークセッション「自律学習のためのアドバイジングスキルを学ぶ」では、引き続き、宝来先生のファシリテーションのもと、Zoomブレアウトセッションによるペアワーク・グループワークを通して、アドバイジングスキルを活用した学習者への関わり方を具体に学んだ。講座終了後も講師への質問が相次ぎ、大変好評であった。

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