山口大学医学部眼科山口大学大学院医学系研究科眼科学

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加齢黄斑変性AMD

目の奥で光を感じる網膜の中心であり、視力を担っている場所を黄斑といいます。
加齢黄斑変性とは、加齢とともにこの黄斑が傷害され、中心がぼやける、歪む、視力が下がるなどの症状を来す難治性の疾患です。
その原因は、長年にわたる光の刺激や喫煙、食生活の欧米化、遺伝子の異常などが重なることで、黄斑に慢性的な炎症を起こすためと言われています。
日本人に多い滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性では、このような長期間の炎症によって網膜の外側にある脈絡膜から異常な血管『新生血管』が黄斑に発生し、そこから血液の成分が漏れ出したり出血を起こしたりすることによって、網膜が傷害されてしまいます。現代の医学でも、この加齢黄斑変性を完全に治癒させ、傷ついた黄斑を元通りに戻せる治療法はありません。
しかし、進行を止めたり遅らせたりする幾つかの治療法が実用化されており、現在も新しい治療法の研究が日々進んでいます。
当院では、加齢黄斑変性に対して現在最も有効な治療法である『抗血管新生療法(抗VEGF療法)』や、黄斑にも使用できる加齢黄斑変性用のレーザー治療である『光線力学療法(PDT)』を受けることができます。また、新生血管が破綻して眼球内や網膜に大きな出血を起こした際には、『硝子体手術』によって出血をできる限り取り除く治療を行うことも可能です。加齢黄斑変性の経過には個人差があり、徐々に見えづらさを自覚される場合や突然に症状が出る場合、軽度の視力低下で治まる場合や大幅に視力が低下してしまう場合など、人によってかなり違いがあります。
当院の加齢黄斑変性専門外来『AMD外来』では、最先端の検査機器を用いて病状を詳細に分析し、その結果を説明した上で、これらの治療の中から最も適切と思われる方法を患者さんやご家族と相談しながら進めていきます。

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