STEAM教育導入・実施の方針

本学 時間学研究所 には、生物学・医学・工学・物理学・心理学・哲学・社会学・経済学・文学・歴史学など多岐にわたる学問分野の教員が所属しており、「時間」という観点から新たな学際領域を創造し、その成果を社会的に還元することをミッションとしている。本学においてSTEAM人材育成/教育を導入するにあたり、文理横断・異分野連携を掲げる時間学研究所がその実施方針を検討し、以下のように定めた。

前掲のように、STEAMのオリジナルの定義は(日本語訳)
「エンジニアリングとアーツを通して解釈された科学・技術であり、それらは全て数学的要素を基礎としている。」
である。これは以下の3つの構成要素に分けられる。

(a) エンジニアリングとアーツを通して解釈された
(b) 科学・技術であり、
(c) それらは全て数学的要素を基礎としている。

具体的な実践に結びつけるため、これらをそれぞれ以下のように解釈する。

(a) 方法論

「STEAM人材の定義」より、STEAM人材が身に付ける必要のある方法論は、総合的・俯瞰的思考とそれを可能にする想像力、及び狙いを実現するための創意工夫の二つとする。そこで、「アーツ」を、学問一般の基本的姿勢である『俯瞰(メタ)的思考』として捉え直し、「エンジニアリング」を、課題解決や価値の創造を含み、医学や教育などのより広範囲の分野に適用できる『デザイン』として捉え直す。『デザイン』には知的財産の知識も含まれる。

(b) 個別分野

「科学」と「技術」を広く捉え、Yakmanピラミッドの最下層にあるような個別の学問分野とする。

(c) 数学的思考力

数学的要素は『数学的思考』とする。これには論理的思考力と批判的思考力も含まれる。また、データサイエンスは数学的思考の道具と捉える。

以上の3項目を『山口大学におけるSTEAM教育の構成要素』(構成要素と略記)
とする。