013　気にすれば、見えないものも、見えるようになる。

2023.10.20

「きょう家から教室に来るまで、マンホールはいくつありましたか？」

学生たちに問いかけます。しらーっとした教室の中、「ゼロでーす。」「わかりません」など声があがります。うーん？どうだっけ？と首をかしげる学生たち。「家の前に３つありました」なんて学生は、いません。「あったけな？」これが、おおかたの反応です。実は、マンホールはたくさんあります。きっとここまで、数十個はあるはず。だけど、見えていない。あるのに、見えない。そう、気にしていないものは、見えないのです。

社会課題も、同じこと。気候変動、人口減少、デジタルデバイド、などなど。いま日本が直面する課題も、気にしていなければ見えないものなのです。ということは、気にすると見える？　そう、きっと見えます。見えると、なぜこうなるのかと疑問を持ちます。調べます。もっと見えるようになるし、わかるようになる。皆で知恵を合わせれば、解決策が見いだせるかもしれません。

“気にする”ことから始めましょう。いくつか自分のテーマを持つといいです。と、日経電子版ギフトの登録者には、いつもそう呼び掛けています。興味のあるテーマ、追いかける話題があると、新聞を読むのが楽しくなります。世の中が、もっと見えるようになりますよ。

教室を出て家に帰るとき。マンホールを数えてみましょう。あっ、ここにも、あそこにもある。たくさん見つかるでしょう。ただし、下ばかりに見て歩くと危ないです。どうぞ気をつけて。

共通教育棟前にマンホールあります。

就職支援室コラム　2023.10.20　平尾元彦