キャリアセンターコラム
049 小学生に語るように、会社のことを語りたい。
2026.05.08
キャリアセンターに身を置いていると、企業の方々と接する機会が多く、折に触れて次のような相談をいただくことがあります。このコラム、いつもは大学生(および保護者の皆さま)を念頭に書いていますが、今日はその一場面を書いてみたいと思います。
「今の学生は、一体何を知りたがっているのでしょうか?」
「学生を前にして、我々は何を語ればよいのでしょうか?」
私は決まってこうお答えします。
「御社が本当に伝えたいことを、そのままお話しください」と。
その真意は、「企業の本質を語る」という一点に尽きます。自社は何のために存在し、いかなる価値を社会に提供しているのか。そうした根源的な問いに向き合うことこそが、対話の出発点であるべきだと信じているからです。
昨今、大学生向けの会社説明会に同席すると、ある傾向に気づかされます。給与の高さや休暇の多さ、あるいは手厚い研修制度など、いわゆる「待遇」の良さを強調する企業が目に見えて増えているのです。労働環境の改善自体は喜ばしいことであり、伝えるべき大切な要素のひとつではあります。しかし、それが前面に出すぎるあまり、「結局、この会社は何をしているのか」という肝心の輪郭がぼやけてしまっている例が少なくありません。
もちろん給料や休みなど、待遇は重要です。ですが、なぜそれができるのか? 「利益の源泉」を理解してもらうことはもっと重要なことのはず。社会の中で自社が果たす役割とそれを支える独自のビジネスモデル、そして共に働く仲間に求める資質――。これら企業の「想い」こそが、学生の心を動かすのです。
私は企業の方々に、「小学生に語るように、自社のことを話してください」とお伝えしています。もし相手が小学生なら、大人はまず自分の仕事が「いかに社会の役に立っているか」「いかに誇り高い挑戦をしているか」「いかにカッコいいことしているのか」を、目を輝かせて語るはず。大学生に対しても、その姿勢でよいのです。条件面の話は、その後の採用選考の中で伝えれば事足ります。
これから大学では、就職活動前の学生を対象に、業界・企業理解のための学習会を開催します。採用イベントではなく、社会の仕組みを学ぶ「教育の場」です。企業の皆様には、ぜひこの場で「カッコいい仕事の話」を届けていただきたいと願っています。自社の本質を真摯に語る言葉は、必ずや学生たちの深い理解と共感を呼び起こすはずです。皆様のご協力を、心よりお願い申し上げます。
● 3年生・M1ほか全学年を対象とした学内業界・企業研究会を開催しています。これは説明会ではなく、研究会・学習会です。開催予定は、トピックスの「2026年度キャリア支援イベント一覧」に掲載しています。キャリアセンターのホームページをご覧ください。
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~ss-web/
● 企業の皆さまへ 学内業界・企業研究会のページはこちらです。
https://ds0n.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~ss-web/company/research/
キャリアセンターコラム 2026.5.7 平尾元彦